6月21日(金)熊本市の熊本城ホールで行われた、九州地区高等学校PTA連合会大会の報告をします。
本校からは、石井副会長、塘田副会長、監査の福田さん、鹿田校長と私、熊本が参加しました。
会場は、市の中心にある熊本城ホールでした。バスターミナルや商業施設が一体化した大変立派な複合施設でした。
午前中は3つの分科会に分かれ、九州各地の代表校がそれぞれのテーマにそった取組についての発表を聞きました。第1分科会は「青少年の健全育成とPTA活動」で、監事の福田さんが出席。第2分科会は「進路指導とPTA活動」で、塘田副会長、鹿田校長、熊本が参加。第3分科会は「金融教育とPTA」で石井副会長が出席されました。ここでは、私が参加した第2分科会について報告します。
第2分科会では、3つの高校(佐賀:小城高校、鹿児島:伊佐農林高校、宮﨑:延岡星雲高校)からの発表でした。進学校、農業高校、新設高校とそれぞれ異なりますが、どの高校もPTAが積極的に生徒の進路行事に参加され、一定の結果を出してあることが印象的でした。
大学と連携した講演会の企画、体育大会の競技参加、地域貢献活動(農作物販売支援)、登校時のあいさつ運動、就職面談指導など、学校の状況に応じた子どもの進路支援と、保護者同士の交流、情報交換について報告されました。今後、輝翔館においてもこれまでのPTAの取組に加え、さらに生徒の学校生活や進路支援等ができたらと思います。
昼食は、参加者全員に弁当が配布され、会場ホールで食べました。その間、アトラクションとして、鹿本農業高校の「山鹿灯籠」、全日本合唱コンクール全国大会に常連、第一高校の合唱が披露されました。
鹿本農業高校の郷土芸能伝承部による山鹿灯籠は、部員全員が高校に入学して踊りや三味線、篠笛を始めたということですが、暗がりの中の灯籠の灯りがなんとも幻想的で気品のある踊りを披露してくれました。
第一高校は創立120周年を迎える熊本県下有数の伝統校で、以前は女子高でしたが、平成23年度から共学になっています。全国レベルのコンクールに50回近く出場するなど、大変実力のある学校です。笑顔でありながらも落ち着いた雰囲気で迫力ある合唱はとても素晴らしかったです。
その後、短時間ではありましたが、朝の雨もやみ、青空も出てきたので、熊本城を見てきました。天守閣は修復されていたものの、本来美しかったはずの石垣や櫓などまだ震災の爪痕がそのまま残されていました。完全復活までは、もうしばらくかかりそうです。
午後の部は、全体会(各種表彰等)の後、記念講演会として、元熊本県教育庁で現熊本大学理事の宮尾 千加子先生から、「くまモンの人間力」と題した講演がありました。
くまモンは2010年(平成22年)、九州新幹線全線開業の前年に誕生しました。当時は、鹿児島から大阪まで新幹線で直接つながることに大変な期待が寄せられていたのですが、熊本県はその通過点に過ぎず、観光客を福岡や鹿児島にとられ、集客が見込めないのではないかと心配されていたそうです。そこで、熊本県の認知度を向上させるため、PRマスコットとして大阪を中心に広報活動を展開。神出鬼没作戦と同時にSNSでも「くまモン目撃情報」など、ユニークな方法で知名度を上げていったということです。イラスト等は無料許諾としたことで、県産品や関連商品の販売促進につながっています。2011年に、ゆるキャラグランプリ、2013年には観光庁長官賞、グッドデザイン賞、流行語大賞を獲得。 2016年には紅白歌合戦に出場(翌年も)、現在は、海外からのオファーもあり、フランス観光親善大使やBMWからくまモン仕様の「くまモンMINI」が販売、その他、台湾や東南アジアでも人気を博し、今やくまモンは世界レベルのキャラクターとなっています。
後半は、教育論になりました。現代は多様化・複雑化な世の中にあり、子どもにはどんな力をつけさせるか。それには、社会の変化に応じ、多様化の価値観を受け入れ、自分で思考し、それを表現できる柔軟な対応力、レジリエンス(耐性)が大切とのこと。子どもに強制することなく、人や本など多くの出会いを通し、小さな成功体験を積み重ねさせる必要があること。親の干渉もほどほどにということも話されました。とても興味深い講演でした。